こんにちは、介護職ひろです。
「老後に向けて配当金収入を作りたい」「高配当投資に興味があるけど、何を買えばいい?」
そんな悩みを持っている方、多いのではないでしょうか。
私も以前は同じ悩みを抱えていました。介護職という給料が高くない仕事で退職金もあまり期待できないので、将来の配当金収入を作りたいと思い高配当投資を始めました。
そこで今年から注目しているのが、米国高配当ETF「SCHD」に投資できる投資信託です。
現在、国内ではSBI・楽天・Tracersの3社からSCHD系ファンドが販売されています。
「どれを選べばいいの?」と迷っている方のために、この記事では3社のSCHDを徹底比較していきます。
高配当の投資信託は他にもたくさんありますが、個人的には今から配当金を求めて投資信託を購入するならSCHDがいいと考えております。
📌 この記事でわかること
- ✓ SCHDが人気の理由(圧倒的な増配率)
- ✓ SBI・楽天・Tracersの基本情報比較
- ✓ 信託報酬の「実態コスト」の違い
- ✓ 【重要】分配方針の決定的な違い
- ✓ 我が家の投資方針(夫婦で両方保有)
SCHDとは?なぜ人気なのか
SCHDは、米国の高配当株約100銘柄で構成されるETFです。
正式名称は「シュワブ米国配当株式ETF」で、10年以上連続で増配している米国企業に投資しています。
SCHDの最大の魅力は「増配率」
SCHDが他の高配当ETFと比べて圧倒的に優れている点は、増配率の高さです。その反面、基準価格の成長ではVYMに劣ります。
▼ 主要高配当ETFの比較
| ティッカー | 利回り | 経費率 | 5年増配率 |
|---|---|---|---|
| SCHD | 約3.8% | 0.06% | 約10% |
| VYM | 約3.0% | 0.06% | 約7% |
| HDV | 約3.2% | 0.08% | 約5% |
| SPYD | 約4.6% | 0.07% | 約1% |
SCHDの5年増配率は約10%と、他のETFを圧倒しています。
増配率10%ということは、毎年もらえる配当金が10%ずつ増えていくということ。
これを20年、30年と続けると、複利効果で配当金が雪だるま式に増えていきます。
20年後の配当金シミュレーション
100万円を初期投資して、配当金を再投資し続けた場合の20年後の年間配当金を比較してみましょう。
- SCHD(増配率10%):年間約52万円
- VYM(増配率7%):年間約17万円
- HDV(増配率5%):年間約12万円
- SPYD(増配率1%):年間約8万円
同じ100万円の投資でも、20年後には約40万円もの差がつきます。これが増配率の威力です。
【一覧表】SBI・楽天・Tracers 基本情報比較
では、このSCHDに投資できる国内の投資信託3社を比較していきましょう。
| 項目 | SBI SCHD | 楽天SCHD | Tracers SCHD |
|---|---|---|---|
| 設定日 | 2024年12月20日 | 2024年9月18日 | 2025年5月29日 |
| 信託報酬 | 0.1227% | 0.1238% | 0.1672% |
| 分配月 | 3,6,9,12月 | 2,5,8,11月 | 1,4,7,10月 |
| 純資産額 | 約1,599億円 | 約1,762億円 | 約11億円 |
純資産額や信託報酬で見ると、SBIと楽天が拮抗しています。Tracersは後発のため、まだ資産額が少ない状況ですが信託報酬高いため追いつくことはないかと思います。
分配月が3社とも違うのは面白いところですね。個別株で高配当をしている私としては6、12月が配当金多いので楽天やTracersは月平均の配当が安定するので魅力ではあります。
【重要】信託報酬の実態コストを比較
「同じSCHDに投資するなら、コストが安い方がいい」
これは当然の考えですよね。
ただし、信託報酬は「目論見書に書かれた数字」と「実際にかかるコスト」が異なる場合があります。
目論見書 vs 運用報告書のコスト比較
各ファンドの運用報告書を確認し、実態コストを調べてみました。
| ファンド | 目論見書 | 実態コスト |
|---|---|---|
| SBI SCHD | 0.1227% | 約0.13% |
| 楽天SCHD | 0.1238% | 約0.13%(実質) |
| Tracers SCHD | 0.1672% | 約0.21% |
楽天SCHDは、運用会社がETFのコスト(0.06%)をファンドに還元する仕組みがあるため、実質的にはSBI SCHDとほぼ同等のコストになっています。
一方、Tracers SCHDは「その他費用」として0.05%が上乗せされるため、実態コストが高くなっていますので残念であり今後見直しに期待です。
コストの差は30年後にいくらになる?

信託報酬の「0.08%の差なんて小さいでしょ?」と思うかもしれません。
しかし、長期投資では大きな差になります。
初期投資500万円、毎月5万円積立、年利7%、30年運用した場合のシミュレーション:
- SBI・楽天SCHD(0.13%):最終資産 約9,298万円
- Tracers SCHD(0.21%):最終資産 約9,145万円
- 差額:約153万円
同じSCHDに投資しているのに、コストの差だけで153万円も変わってくるため長い目でみると0.01%の差でも大きくなってきます。150万もあったら旅行数回できるし海外旅行もいけちゃいますよね。
下記は配当金を再投資したシミュレーションで、SCHDに投資する方で30年間も配当を再投資する方は少ないかとは思いますがここまで配当金が大きくなると夢がありますよね!
年利も高めで計算しているので相場がよくてこのくらいと思ってくれたらと思います。

【最重要】分配方針の決定的な違い
信託報酬よりも重要なのが、「分配方針の違い」です。
実は、SBI SCHDと楽天SCHDでは分配金の出し方に決定的な違いがあります。
SBI SCHD:健全分配
SBI SCHDの分配方針は「ETFから受け取った配当金の範囲内で分配する」というものです。
- 初回分配金(2025年6月):62円
- ETFから受け取った配当金:62.20円
- → ほぼ全額を分配金として還元
「収益調整金」は原則として分配に充てない方針で、基準価額の安定性が期待できます。
楽天SCHD:積極配当
楽天SCHDの分配方針は「収益調整金を活用して積極的に分配する」というものです。
- 初回分配金(2025年2月):85円
- ETFから受け取った配当金:55円
- → 残りは「収益調整金」から補填
⚠️ 収益調整金とは?
新規投資家がファンドを購入した際に、既存投資家の分配金が薄まらないように積み立てられる勘定科目です。楽天SCHDはこの収益調整金を分配金の原資として活用しています。
分配方針の違いが投資家に与える影響
この違いは、長期投資において重要な意味を持ちます。
| SBI SCHD(健全分配) | 楽天SCHD(積極配当) |
|---|---|
| 基準価額の安定性が高い | 分配金が多い傾向 |
| 純資産が減りにくい | 基準価額が下がる可能性あり |
| 長期の資産成長を重視 | 短期的な配当収入を重視 |
どちらにも魅力があり、投資スタイルによって選択が変わってきます。少しでも分配金が多くほしいかたは楽天ですし、分配金が多くなくてもいいが常に安定した分配金と基準価格の上昇に期待できます。
我が家の投資方針(実体験)
最後に、我が家の投資方針を紹介します。
実は我が家では、夫婦でSBIと楽天の両方を保有しています。
私(夫):SBI証券でSBI・SCHD
- 現在の保有額:約4万円
- 投資方針:成長投資枠で少額からスタート
- 選んだ理由:基準価額の安定性を重視
嫁:楽天証券で楽天・SCHD
- 現在の保有額:約12万円(毎月2万円積立)
- 投資方針:新NISAで毎月積立
- 選んだ理由:嫁は新NISAを楽天証券で行っているのが大きい理由で、SBI証券であったら間違いなくSBI・SCHDに積立しています。
ただ夫婦で分散することで、分配月も分散され、年6回の分配を受け取れるようになりました。
また、どちらかのファンドに問題があった場合のリスクヘッジにもなるし分配金や基準価格の比較もできますしね。
結論:どのSCHDを選ぶべき?
ここまでの比較をまとめると、以下のようになります。
✅ SBI SCHDがおすすめな人
- 基準価額の安定性を重視したい人
- 長期で資産を育てたい人
- SBI証券をメインで使っている人
✅ 楽天SCHDがおすすめな人
- 分配金を多くもらいたい人
- 楽天経済圏を活用している人
- 楽天証券をメインで使っている人
⚠️ Tracers SCHDは注意
- 実態コストがSBI・楽天より高い
- 純資産額が少なく、繰上償還リスクあり
- 毎月分配を実現したい場合のみ検討
迷ったら、SBI SCHDか楽天SCHDのどちらかを選べば間違いありません。
新NISAをしている証券会社で選べばいいかとも思いますね。
よくある質問(FAQ)
Q. 3つ全部買うのはあり?
A. ありです。3社すべてを保有すれば毎月分配金がもらえます。ただし、Tracersはコストが高いので、SBIと楽天の2社だけでも十分です。
Q. 新NISAの成長投資枠で買える?
A. はい、3社とも新NISAの成長投資枠で購入可能です。つみたて投資枠では買えないので注意してください。
Q. 今から買っても遅くない?
A. SCHDの魅力は「増配率の高さ」です。長期で保有するほど配当金が増えていくので、早く始めるほど有利です。
まとめ
今回は、SBI・楽天・Tracersの3社のSCHDを徹底比較しました。
- SCHDは増配率10%と高配当ETFの中でもトップクラス
- 実態コストはSBIと楽天がほぼ同等(約0.13%)
- 分配方針:SBIは健全分配、楽天は積極配当
- 迷ったらSBIか楽天を選べばOK
介護職という給料が高くない仕事でも、コツコツ投資を続ければ老後の配当金収入を作ることができます。
「将来の自分への仕送り」だと思って、一緒に頑張りましょう!
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。